今年もまた、唐組の紅テントがやって来ました。
場所は井の頭公園のはずれ、旧プール跡の空地だったところです。
「糸女郎」
夕暮れの薄明かりの中、待ちかねるお客に向かって
ろうろうと口上を述べる若き劇団員の姿に
かつて唐組が「状況劇場」だった時代のあの頃
初めて芝居というものを見に連れて行ってもらって
腹の底から声を出して呼び込む劇団員のその姿に衝撃を受けたことを思い出してしまいました。
その時のチラシ、大事にとってありました。
「女シラノ」作・演出 唐十朗 劇団状況劇場
新宿花園神社 昭和55年5月〜7月
大阪と京都以外にも、サンパウロ東洋人街公演も行っています!
あの時代に紅テントを持ってブラジルまで行ったのですね!
チラシというより新聞ですね。
ページを開くとそうそうたる方々の寄稿文がありました。
嵐山光三郎改メ裕乗坊英明氏 村松友視氏 赤瀬川原平氏 森邦夫氏 日名子暁氏 柄谷行人氏
内容は今読んでも難しくて・・・
なぜこの芝居をサンパウロに持って行くのか
唐十郎はどういう意図でこれを書いたのか
元になる事件はどういうものであったのか!
そういう事が書かれているようなのですが
ちっとも頭に入ってこないのはなぜ?
めくるめく文章に翻弄され、
妄想は千々に乱れるのでありました。
出演者の中には小林薫さんもいました。
彼はこの後状況劇場をやめてテレビに多く出演するようになったように記憶しています。
彼は美しかった♪
乱れ飛ぶ汗が光って眩しかったのです。
李麗仙さんもセクシーで魅力的でドキドキして観ておりました。
清川虹子さん!怪演でした。存在感がとんでもなかった!
そして唐十郎さん。
たしかランドセルをからっていたような記憶が・・・
あやふやです。
内容はほとんど覚えていないのです。
ただやはり夕方
薄明かりの中
紅テントと呼ばれる怪しげな芝居小屋に
ぎゅうぎゅうに詰め込まれて
体育座りでおしりも痛くて
いきなり不思議な世界に引っぱって行かれて
とても早口で何を言っているのか追いつけなくて
近くで役者さんの汗が飛び散って
なぜだか舞台から水がまき散らかされて
最後は舞台の後ろがバーンと取り払われ
客席に向かってトラックの強いライトが眩しくって。
屋台崩しというお決まりの演出。
東京に出て来てすぐに
こんな強烈な刺激を受けて
なんだかふらふらになって呆然としてしまったように思い出しました。
実は、井の頭公園で唐組が紅テントを張り出してから
一度観に行った事があるのです。
2006年「透明人間」
狂犬病の話だったかな(おおまか過ぎますが)
唐十郎さんと十貫寺梅軒さんが出演してる!
と興奮して観に行く事にしたのでした。
大御所おふたりの健在ぶりに
大感激しておりました。
焼き鳥屋の二階の設定がいせやを彷彿とさせて・・・
犬を飼い始めた頃なので
内容の狂犬病に食いついて観ました。
ひどい雨の中。
思い出します。
唐十郎さん、
またお会いしたいです!
そして
午後の日差しの中
まったりとする白犬いっぴき・・・
彼女は生を受けた新潟から
耳をぱたぱたさせて飛んで来たのでありました〜♪
着いたところは日だまりの原っぱ。
めでたしめでたし♡